クォーツ腕時計の誕生

ここでは腕時計の歴史、歩みについて紹介しています。
ところで1960年、当時アメリカの腕時計メーカーであったブローバが音叉式腕時計を「アキュトロン」を開発しました。この音叉型腕時計は当時としては大変精度が高く、腕時計の世界で画期的な商品でした。残念ながら現在ではこの音叉型腕時計を目にすることは余りありませんが、この音叉型腕時計の登場は当時の腕時計業界に大きな影響を与えました。
この音叉型腕時計「アキュトロン」の登場に危機感を抱いたのがセイコーでした。セイコーは、世界初のクォーツ腕時計を開発しました。私達にはクォーツ腕時計と言う名前で通っていますが、このクォーツ腕時計は別名を水晶発振式腕時計と言いました。セイコーは世界初のクォーツ腕時計を開発し、1969年12月25日に「アストロン」を発売しました。ところでこの世界初のクォーツ腕時計は一体幾らしたか、皆さんは御存知でしょうか。このクォーツ腕時計の当時の定価は何と45万円でした。この金額は、何と当時の大衆車よりも高価な値段でした。
このクォーツ腕時計ですが、その仕組みを簡単に紹介することにしましょう。クォーツ腕時計では、発振周波数が計時設定上使いやすい32.768kHz(=215Hz)に調整された水晶を使用するのが一般的となっています。そしてこのクォーツ腕時計の振動数の高さは圧倒的な規模でした。従来の機械式の腕時計はおろか、先に紹介した腕時計メーカー・ブローバの音叉式腕時計「アキュトロン」をも遥かにしのぐ高精度を実現しました。もっともこの原理自体は第二次世界大戦以前に着想され、そして天文台等で使用する大型置時計等に古くから存在し、使用されてきましたが、この原理を腕時計として使えるサイズにまで超小型化したのは、まさにセイコーの技術陣の努力の賜物でした。
それではこのクォーツ腕時計はその後どのような軌跡を辿ったのでしょうか。クォーツ腕時計は、何と言っても機械式の腕時計や、或いはそれ以前の各種電池式の腕時計に比べて、圧倒的に誤差が少ないことがその強みでした。また音叉型腕時計を開発したブローバがその技術を公開しなかったのに対して、セイコーはクォーツ技術の特許を公開した為、その後腕時計メーカー各社がこのクォーツの製造に参入しました。その結果クォーツ腕時計は急速にコストダウンが進み、大衆の手に入りやすいものとなっていきました。そうしたことからクォーツ腕時計は1970年代に腕時計の市場を席巻しました。このようにクォーツ腕時計が巻き起こした旋風、これを「クォーツショック」と呼んでいます。
また腕時計の本場であるスイスの腕時計メーカーも、当時クォーツ腕時計を独自に開発していて、セイコーの「アストロン」の発表後、まもなくその製品化に成功しています。ですが1973年に発生した石油危機(オイルショック)による生産コストの上昇と、国際為替の変動相場制への移行によって生じたスイス・フラン高とが、スイス産腕時計の国際競争力を奪っていきました。同時に日本製のクォーツ腕時計の低価格化が進んだこともあって、スイス等の高級機械式腕時計ブランドは壊滅的な打撃を受けるに至りました。また20世紀半ばまで全盛を誇っていたアメリカの腕時計メーカーも、ほぼ全滅しまいました。
そしてそれと同時期の1970年、アメリカの腕時計メーカーであるハミルトンからは、世界初のデジタル腕時計である「パルサー」が発売されました。現在は私達に大変馴染みのあるデジタル腕時計ですが、登場したのはこのときが初めてでした。このデジタル腕時計では、発光ダイオードを用いて時刻を表示していました。またデジタル腕時計は、発売当初は極めて高価な腕時計でした。ですがその後の液晶表示が導入されたことと、腕時計の可動部品が皆無な構造であって、よって大量生産に適する為に、デジタル腕時計の低価格化が促進されていき、現代ではデジタル式腕時計は、一般にアナログ式腕時計よりも廉価な存在となっています。

その後の腕時計は、本来の腕時計としての機能の他にも、アラーム機能やストップウォッチ機能等腕時計の高機能化が進み、その一方では腕時計の低価格化が進みました。その結果嘗ては高級品であった腕時計は、現在では子供でも買えるような、大変身近な存在となっていきました。

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